副業を始めたい、あるいは副業を続けられる会社に移りたい。そう考えたときに困るのが、「副業OK」と書かれていても実際にどこまで認められるかが分からないことです。全面的に自由な会社もあれば、事前許可を取らなければ懲戒対象になる会社もあり、同じ表記の中に大きな幅があります。
この記事では、副業OKな会社を探す側の視点で、許容度の段階、求人や企業情報から見分ける方法、副業を認めやすい会社の特徴、そして選考で確認するときの聞き方までをまとめます。現職で副業を始める手順そのものは会社員が副業を始める方法|就業規則・税金・おすすめ職種で解説しています。
求人票や企業サイトの「副業OK」は、就業規則上まったく違う制度を指していることがあります。まずこの段階を押さえると、何を確認すべきかが決まります。
求人票の「副業OK」の多くは2番目の許可制です。応募前に確認すべきなのは副業の可否そのものではなく、許可制なのか届出制なのか、そして実際に申請が通っている実績があるかです。
厚生労働省のモデル就業規則は2018年に改定され、副業・兼業を原則として認める方向の規定例に変わりました。同じ時期に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定され、その後2020年9月と2022年7月に改定されています。
探す側にとって重要なのは2022年7月の改定内容です。ここで、企業は副業・兼業を許容しているかどうか、条件付きで認める場合はその条件を、自社サイトなどで公表することが望ましいとされました。義務ではないため公表していない企業も多いのですが、裏を返せば、公表している企業は副業を制度として整備している可能性が高いということです。これが会社選びの有力な手がかりになります。
求人サイトのフリーワード検索では、「副業可」だけでなく「兼業可」「副業・兼業OK」「複業」でも検索します。企業によって使う語が違うため、1語だけだと該当求人の一部しか拾えません。「複業」を掲げる企業は制度として積極的に推進している傾向があります。用語の違いは複業とは?副業との違い・始め方完全ガイドで整理しています。
気になる企業名と「副業」「兼業」を組み合わせて検索し、採用サイトやサステナビリティ・人的資本関連のページを見ます。副業制度の名称、対象者、申請フローまで書かれていれば、制度として運用されている確度が高いと判断できます。逆に、求人票には「副業可」とあるのに公式情報がどこにも見当たらない場合は、面談で運用実態を確認する対象になります。
制度の有無より確実なのは、実際に使っている社員がいるかどうかです。採用サイトの社員インタビューや技術ブログ、社員個人の発信で副業に触れているものがあれば、会社が副業を公にしても問題ない文化だと分かります。制度があっても誰も申請していない会社では、一人目になる負担がかかります。
副業を認めやすいのは、成果で評価しやすくスキルの外部持ち出しが問題になりにくい業界です。IT・Web、コンサルティング、人材、広告・クリエイティブ、スタートアップ全般では制度が整っている企業が目立ちます。一方、金融、公務、医療、インフラなど、法規制や利益相反の管理が厳しい領域では制限が強く残ります。
転職エージェントを使う場合、副業の可否は自分で聞きにくい質問の代表格です。担当者経由なら、制度の有無だけでなく「実際に申請が通っているか」「どの範囲まで認められているか」まで確認してもらえます。候補者本人が面接で聞くより角が立たず、情報の精度も上がります。
副業を認めている会社でも、次の点は例外なく制限がかかります。ここを踏み外すと、副業OKの会社であっても処分の対象になり得ます。
なお、副業OKの会社であっても確定申告の要否は自分で判断する必要があります。手順は副業の確定申告ガイド|いくらから必要?やり方を図解で解説にまとめています。
副業の可否は聞いて構いませんが、聞き方で印象が変わります。避けたいのは、副業ができることが応募理由の中心だと受け取られる形です。志望動機は本業の仕事内容に置き、副業は条件確認として切り分けて質問するのが基本です。
2番目の質問がもっとも有効です。制度があっても利用実績がゼロなら、実質的に使いにくい制度だと判断できます。すでに副業で実績がある場合は、それを職務経歴の強みとして提示する方法もあります。考え方は副業を活かした転職戦略|お試し転職のすすめで解説しています。
記載がないことと禁止であることは別です。副業を認めていても、求人票の項目にないため書いていない企業は珍しくありません。企業サイトを確認し、それでも分からなければ面談で聞くのが確実です。
国のモデル就業規則が容認方向に改定されて以降、制度を整える企業は増えています。ただし多くは許可制であり、無条件に自由な会社が増えているわけではありません。「認める企業が増えた」ではなく「条件付きで認める企業が増えた」と捉えるのが実態に近い理解です。
副業を制度化している企業であれば、伝えること自体は不利になりません。不利に働くのは、本業への関心が薄いと受け取られた場合です。副業で得たスキルが本業にどう活きるかまで説明できると、むしろ前向きに評価されることもあります。
転職以外の選択肢もあります。就業規則の対象外にあたる活動もあるため、まず自社の規定を正確に読むところから始めるのが順序です。詳しくは副業禁止の会社でもできること|合法的な収入アップ方法まとめを参照してください。
副業OKな会社を探すときに見るべきなのは、副業を認めているかどうかではなく、許可制か届出制か、そして実際に使われているかどうかです。求人検索では「副業」「兼業」「複業」を併用し、企業サイトの公表情報と社員の発信で運用実態を確かめ、最後に面談で利用実績を聞く。この順番で進めれば、入社後に「制度はあるが使えない」という状況を避けられます。
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