源泉徴収とは?天引きの仕組み・対象になる収入と年末調整の関係
公開: 2026/10/15 ・ 著者: 与謝秀作
源泉徴収の仕組みと対象収入を解説。給与と一定の報酬の違い、甲欄・乙欄、住民税や社会保険料との区別、年末調整・確定申告・源泉徴収票の役割、体験勤務の支払確認を整理します。

公開: 2026/10/15 ・ 著者: 与謝秀作
源泉徴収の仕組みと対象収入を解説。給与と一定の報酬の違い、甲欄・乙欄、住民税や社会保険料との区別、年末調整・確定申告・源泉徴収票の役割、体験勤務の支払確認を整理します。

源泉徴収とは、給与や一定の報酬などを支払う側が、支払いの際に所得税等を差し引き、受け取る人に代わって国へ納める仕組みです。給与明細の「所得税」が代表的な例ですが、給与以外にも対象になる支払いがあります。
この記事では日本の居住者の給与と、個人が受け取る一定の報酬を中心に、源泉徴収の流れと対象の見分け方を説明します。源泉徴収票の各欄の読み方、確定申告の詳しい手順は別の記事で扱います。制度情報は2026年10月15日に確認しています。
登場するのは、収入を受け取る人、給与や報酬を支払う人、国の3者です。支払者は対象となる税額を計算し、差し引いた残額を本人へ支払い、差し引いた税を納付します。国税庁は、この義務を負う支払者を源泉徴収義務者と説明しています。
流れ | 本人から見た確認点 |
|---|---|
会社等が給与・報酬の額を決める | 契約額が税引前か、手取り額か |
対象となる税額を計算する | 給与か報酬か、どの条件で計算されるか |
税を差し引いた金額を支払う | 明細や支払案内に差引額が示されているか |
支払者が国へ納付する | 差し引かれた税と、本人の最終的な税額は別に確認する |
2026年分について、ここでいう所得税等には所得税と復興特別所得税を含みます。税の制度や使用する表は年分によって変わることがあるため、前年の数字をそのまま使わないようにしてください。
給与の源泉徴収と、報酬・料金の源泉徴収は、対象や計算方法が異なります。「副業か本業か」だけでは区別できません。
受け取るお金の例 | 確認の方向 |
|---|---|
雇用契約で受け取る給料・賞与 | 給与としての源泉徴収を確認する |
個人が受け取る原稿料・講演料など | 法令で定められた報酬・料金の範囲と支払者の義務を確認する |
業務委託で受け取る代金 | 業務委託という名称だけでは決めず、実際の業務内容を確認する |
給与に含まれる各種手当 | 課税・非課税の区分を確認する |
国税庁の給与所得となるものでは、給料・賞与に加え、残業手当や住宅手当なども原則として給与所得になると説明されています。一方、一定の通勤手当や通常必要な出張旅費などには非課税の取扱いがあります。
個人への報酬では、原稿料、講演料、一定の専門家への報酬など、定められた範囲を確認します。「個人への外注なら全部10.21%」「業務委託なら源泉徴収しない」のどちらも一律の説明としては不正確です。対象となる報酬・料金の公式一覧に照らし、業務と支払者の条件を確認してください。
通常の給与では、支払周期、社会保険料等控除後の給与額、扶養に関する情報、適用する税額表の区分などで税額を求めます。給与総額へ一定の率を掛ければ誰でも同じ、という計算ではありません。
たとえば架空の給与明細に、総支給30万円、社会保険料4万5,000円、所得税6,000円、住民税1万2,000円、その他控除なしと記載されていれば、振込額は23万7,000円です。これは控除の関係を示すための仮定であり、2026年の税額表から算出した標準例ではありません。同じ30万円でも条件によって所得税額や手取りは変わります。
給与明細では所得税、住民税、社会保険料を別々に読みましょう。国へ納める所得税等の源泉徴収と、地方税である住民税の特別徴収は別の仕組みです。「源泉徴収額を引けば手取り」とは限りません。金額の区分は年収・額面・手取りの違いで詳しく説明しています。
国税庁は、扶養控除等申告書を提出している勤務先の給与を主たる給与とし、通常は税額表の甲欄、それ以外の勤務先の給与を従たる給与として乙欄を用いると説明しています。短期・日々雇用などには別の取扱いもあるため、すべての働き方を甲欄・乙欄だけで説明することはできません。
掛け持ち先で思ったより多く税が引かれても、直ちに二重課税や計算ミスとは限りません。どの申告書をどこへ提出し、どの区分で計算しているかを給与担当へ確認します。2か所以上から給与をもらう場合の源泉徴収が確認先になります。
用語 | 役割 |
|---|---|
源泉徴収 | 給与などの支払いの際に税を差し引く |
年末調整 | 対象者の年間の給与に対する税額と、給与から徴収した額を勤務先が精算する |
確定申告 | 本人が年間の所得や控除等を申告し、税額を精算する手続き |
源泉徴収票 | 年間の給与や徴収税額などを記載した書類 |
毎月の徴収額と年間の税額は、必ず一致するわけではありません。年末調整の対象となる人は勤務先で差額を精算し、還付または追加徴収になる場合があります。年末調整の計算の流れも確認できます。
源泉徴収されていても、それだけで確定申告が不要とは決まりません。反対に、源泉徴収がなかった収入でも、非課税や申告不要と断定はできません。複数の給与や給与以外の所得などを合わせ、副業の確定申告の手順で自分の条件を確認してください。票の4つの金額や転職時の提出は、源泉徴収票の見方で解説しています。
体験の報酬だから税の扱いが自動的に決まるわけではありません。雇用なのか、業務委託なのか、実際に何を行い、誰からいくら支払われるのかを開始前に確認します。
確認の文例:「契約額に対し、給与・報酬のどちらとして支払い、源泉徴収をどのように扱う予定か教えてください。明細と年間の書類の交付方法も確認したいです」。振込額だけを見て判断せず、支払内容と書類をつなげることが大切です。

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