退職金の相場はいくら?計算方法・税金・受け取り方を徹底解説
公開: 2026/07/07 ・ 著者: 与謝秀作
退職金の相場・計算方法・税金・受け取り方を徹底解説。令和5年調査による定年退職の平均額や企業規模・勤続年数別の相場、退職所得控除(20年以下40万円×年数/20年超800万円+70万円×(年数-20))と2分の1課税の仕組み、一時金・年金の受け取り方、2026年の制度変更まで紹介します。

公開: 2026/07/07 ・ 著者: 与謝秀作
退職金の相場・計算方法・税金・受け取り方を徹底解説。令和5年調査による定年退職の平均額や企業規模・勤続年数別の相場、退職所得控除(20年以下40万円×年数/20年超800万円+70万円×(年数-20))と2分の1課税の仕組み、一時金・年金の受け取り方、2026年の制度変更まで紹介します。

退職金は、老後や転職後の生活を左右する大きなお金です。しかし「自分はいくらもらえるのか」「税金はどれくらい引かれるのか」は意外と分かりにくいもの。この記事では、退職金の相場・計算方法・税金・受け取り方を、最新の調査データや税制をもとに徹底解説します。
※本記事は一般的な制度・目安の解説です。相場は調査によって異なり、実際の支給額は会社の退職金規程、税額は勤続年数や他の所得などで変わります。正確な金額は退職金規程や国税庁の情報、専門家にご確認ください。
退職金とは、退職する従業員に会社から支払われる一時金や年金のことで、税法上は「退職所得」と呼ばれます。法律で義務づけられた制度ではなく、支給の有無や金額は会社の就業規則・退職金規程で定められます。
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査では、退職金制度がある企業は74.9%でした。つまり約4社に1社は退職金制度がなく、勤続3年以上を支給条件とするなど、会社ごとにルールが異なります。
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、大学・大学院卒で勤続20年以上かつ45歳以上の人が定年退職した場合の退職金の平均額は約1,896万円でした。ただし、これはあくまで平均で、企業規模や業種で大きく変わります。
大企業と中小企業では相場が大きく異なります。各調査をもとにした大卒・定年退職の目安は次のとおりです。
同じ勤続でも、企業規模によって1,000万円以上の差が生じることもあります。
退職金は勤続年数が長いほど増え、退職理由によっても変わります。一般に、優遇される順は「定年退職・会社都合退職 > 自己都合退職」です。
退職金の計算方法は会社ごとに異なりますが、代表的なのは次の式です。
退職金 = 退職時の基本給 × 支給率(勤続年数で変動)× 退職事由係数
このほか、勤続や役割に応じてポイントを積み上げる「ポイント制」を採用する会社も増えています。自分の退職金を知りたいときは、勤務先の退職金規程や就業規則を確認するのが確実です。
退職金には所得税・復興特別所得税・住民税がかかりますが、「退職所得控除」と「2分の1課税」という2つの大きな優遇があり、給与などに比べて税負担は軽くなっています。
勤続年数に応じて、次の金額が退職金から差し引かれます。
勤続年数に1年未満の端数があるときは1年に切り上げます。退職金がこの控除額以下なら、退職所得は発生せず税金はかかりません。
控除後の金額は、さらに2分の1にしたものが課税対象になります。
課税退職所得金額 =(退職金 - 退職所得控除額)× 1/2
この課税退職所得金額に所得税の税率をかけ、住民税は一律10%で計算します。退職金は他の所得と分けて計算する「分離課税」で、通常は支給時に源泉徴収されます。
この例では退職所得控除だけで1,150万円が差し引かれ、さらに残りが2分の1になるため、額面2,000万円に対する税負担はかなり抑えられます。
退職金の受け取り方には、主に「一時金」「年金」「併用」の3種類があります。
どの方法が有利かは、税負担・他の年金・当面の資金ニーズによって変わります。会社が複数の受け取り方を用意している場合は、総合的に比較して選びましょう。
退職金は、相場・計算方法・税金・受け取り方を理解しておくことで、老後や転職後の資金計画を立てやすくなります。
自分の退職金は会社の退職金規程で確認し、税額や受け取り方に迷ったら国税庁の情報や専門家に相談して、後悔のない選択をしましょう。