公開: 2026/03/09 ・ 著者: 与謝秀作

試用期間中に退職したい!手順・伝え方・転職への影響を解説

試用期間中でも退職は可能です。退職の手順、上司への伝え方、即日退職の可否、転職活動への影響、退職届の書き方まで徹底解説。円満退職のポイントも紹介します。

試用期間中に退職したい!手順・伝え方・転職への影響を解説
目次
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「試用期間中だけど、もう辞めたい…」「入社してすぐ退職しても大丈夫?」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

試用期間は企業と労働者がお互いの適性を見極める期間です。だからこそ、「思っていた仕事と違った」「職場の雰囲気が合わない」と感じるのは自然なことです。結論から言えば、試用期間中でも退職は可能です。

本記事では、試用期間中の退職に関する法的なルール、具体的な手順、上司への伝え方、転職活動への影響、そして円満退職のコツまで、徹底的に解説します。

試用期間とは?まず基本を理解しよう

試用期間とは、企業が新たに採用した従業員の適性や能力を見極めるために設ける「お試し期間」のことです。一般的には入社後1ヶ月〜6ヶ月に設定されることが多く、最も3ヶ月が一般的です。

重要なのは、試用期間中であっても労働契約は成立しているという点です。「試用期間だから正社員じゃない」というわけではなく、労働基準法や社会保険の保護は本採用後と同様に適用されます。当然、退職の権利も認められています。

試用期間中に退職することは法的に問題ない?

結論から言えば、試用期間中の退職は法的にまったく問題ありません。日本の民法第627条では、期間の定めのない労働契約の場合、労働者はいつでも退職の意思表示ができ、申し入れから原則として2週間で労働契約が終了すると定められています。

これは試用期間中であっても同様です。「試用期間中は辞められない」という規定が就業規則にあったとしても、民法の規定が優先されるため、労働者の退職の自由は守られます。会社が退職を拒否することは法的にできません。

入社14日以内なら解雇予告が不要?

労働基準法第21条では、採用後14日以内であれば企業側は解雇予告なしに解雇できると定められています。これはあくまで「企業側からの解雇」に関する規定であり、労働者側からの退職には異なるルールが適用されます。労働者が退職する場合は、入社日数に関わらず原則として2週間前の申し入れが必要です。

試用期間中に退職したい主な理由

試用期間中に退職を考える人には、いくつかの共通した理由があります。代表的なものを見てみましょう。

職場環境・人間関係のミスマッチ

入社前のイメージと実際の職場の雰囲気が大きく異なるケースです。パワハラやいじめがある場合はもちろん、「コミュニケーションが極端に少ない」「チームの雰囲気が悪い」といった場合も、続けるのが難しいと感じる要因になります。

業務内容が説明と違った

面接や求人票で説明されていた業務内容と、実際の仕事内容が大きく異なるケースです。たとえば、「企画職」として入社したのに実際は営業業務が中心だった、というようなケースは珍しくありません。これは立派な退職理由になります。

労働条件が違った

給与、勤務時間、休日、福利厚生など、労働条件が入社前の説明と異なる場合です。「残業はほぼないと聞いていたのに毎日終電まで働かされる」「固定残業代以上の残業が常態化している」といった場合、労働契約上の問題もあるため、早期の退職もやむを得ません。

体調不良・メンタルの問題

新しい環境でのストレスやプレッシャーにより、体調を崩してしまうケースもあります。無理をして体調を悪化させるよりも、早めに判断して退職することも選択肢の一つです。健康は何よりも優先されるべきです。

キャリアの方向性と合わない

実際に働いてみて、「この仕事は自分の目指すキャリアと違う」と気づくこともあります。試用期間はまさにそうした判断をするための期間でもあるため、合わないと感じたら早めに次のステップを考えるのは賢明な判断です。

試用期間中に退職する手順【5ステップ】

ステップ1:本当に退職すべきか冗静に考える

試用期間中は、新しい環境に慣れず一時的にネガティブになることもあります。「本当に辞めるべきなのか」を冗静に判断するために、不満の原因を書き出し、それが改善可能なものかどうかを整理してみましょう。ただし、パワハラや労働条件の虚偽など明らかに問題がある場合は、無理に続ける必要はありません。

ステップ2:直属の上司に口頭で伝える

退職の意思が固まったら、まずは直属の上司に口頭で伝えましょう。いきなり退職届を出すのではなく、まずは「ご相談したいことがあります」と面談の時間をもらうのがマナーです。伝え方の詳細は後述します。

ステップ3:退職届を提出する

上司との面談で退職日が決まったら、正式に退職届を提出します。退職届は「一身上の都合により」と記載するのが一般的です。会社所定のフォーマットがある場合は、その形式に従いましょう。

ステップ4:引き継ぎを行う

試用期間中であっても、担当している業務の引き継ぎは丁寧に行いましょう。短期間であっても、引き継ぎ資料を作成したり、後任者に説明したりすることで、円満退職につながります。最後の印象は大切です。

ステップ5:賞与品の返却と必要書類の受け取り

退職時には、会社から支給された物品(制服、社員証、健康保険証、セキュリティカード、PCなど)を返却します。また、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証など、転職先やハローワークで必要となる書類を必ず受け取りましょう。

上司への伝え方・切り出し方のポイント

伝えるタイミング

退職の意思は、退職希望日の少なくとも2週間前に伝えるのが基本です。ただし、就業規則で「1ヶ月前までに申し出ること」などの規定がある場合は、できる限りそれに従うのが円満退職につながります。タイミングとしては、業務が落ち着いている時間帯に、一対一で話す機会を作りましょう。

退職理由の伝え方

退職理由は正直に、しかし角が立たない形で伝えることがポイントです。会社や上司を直接批判するのではなく、「自分のキャリアの方向性と合わなかった」「適性の部分でミスマッチを感じた」など、自分側の理由として伝えるのが無難です。

使える例文(切り出し方)

実際に上司に伝える際の例文をいくつか紹介します。

「お忙しいところ恐れ入ります。少しご相談したいことがございまして、お時間をいただけますでしょうか。実は、入社後に業務内容や自分の適性を考えた結果、退職させていただきたいと考えております。短期間での退職となり、大変申し訳なく思っております。」

「入社してから色々と考えたのですが、自分の目指すキャリアの方向性と御社の業務内容にギャップを感じております。ご迫惑をおかけして大変恐縮ですが、退職の方向でご相談させていただけないでしょうか。」

ポイントは、感謝とお詫びの気持ちを先に伝えた上で、退職の意思を明確に示すことです。「考え中」のような曖昧な伝え方は避け、決意が固いことを丁寧に伝えましょう。

引き止められた場合の対処法

上司から引き止められることもありますが、退職は労働者の権利です。丁寧に「ご心配ありがとうございますが、決意は変わりません」と伝えましょう。それでも退職が認められない場合は、配達証明付き郵便で退職届を送付するという方法もあります。法的には、2週間後に労働契約は終了します。

試用期間中の即日退職は可能?

原則として、即日退職は労働者側から一方的に行うことはできません。民法では2週間前の予告が必要とされています。

ただし、以下のような場合は即日退職が認められる可能性があります。

まず、会社との合意がある場合です。労働者と会社の双方が合意すれば、2週間を待たずに即日退職することが可能です。

次に、やむを得ない事由がある場合です。民法第628条では、「やむを得ない事由」がある場合には即時に契約を解除できると定められています。ハラスメント、給与の未払い、労働条件の著しい相違などが該当します。

また、体調不良により勤務が困難な場合には、診断書を提示して即日退職を求めることもできます。いずれの場合も、まずは会社と話し合い、合意を得る努力をすることが望ましいでしょう。

試用期間中の退職届の書き方

退職届の基本的な書き方は、試用期間中でも通常の退職と変わりません。以下の項目を含めましょう。

書類のタイトルは「退職届」とします。届出日、所属部署、氏名を記載し、退職理由は「一身上の都合により」と記載するのが一般的です。退職希望日を明記し、宛先は会社の代表者(社長)宛てにします。提出先は直属の上司または人事部門です。

なお、「退職届」と「退職願」の違いにも注意が必要です。退職願は「退職をお願いする」書類で、会社の承認が必要です。一方、退職届は「退職を通告する」書類で、提出した時点で効力が発生します。確実に退職したい場合は、退職届を提出するのが確実です。

試用期間中の退職が転職に与える影響

履歴書には書くべき?

原則として、試用期間中の短期退職であっても履歴書には記載するのが基本です。社会保険の加入記録や雇用保険の履歴などから、前職の存在が判明する可能性があるためです。経歴詐称は懲戒免職の原因にもなりかねないため、正直に記載しましょう。

面接での説明の仕方

面接で試用期間中の退職について聞かれた場合は、前向きに説明することが大切です。「入社後に業務内容のギャップを感じ、早期に判断しました」「その経験を踏まえ、御社ではより慎重に企業選びをしました」のように、学びを得たことを伝えるのがポイントです。

短期離職は不利になる?

正直なところ、短期離職がプラスに働くことはほとんどありません。しかし、「1回の短期離職」であれば、理由が明確で納得感がある限り、致命的なマイナスにはなりません。問題になるのは、短期離職を繰り返しているパターンです。次の転職では、入社前にしっかり企業研究を行い、ミスマッチを防ぐことが重要です。

試用期間中の退職で知っておきたい注意点

給与・未払い賃金の確認

試用期間中であっても、働いた分の給与は全額支払われなければなりません。残業代の未払いがないかも確認しましょう。万が一、未払いがある場合は、退職前に会社に請求するか、労働基準監督署に相談しましょう。

有給休暇について

有給休暇は入社後6ヶ月経過後に付与されるのが原則です。そのため、試用期間中(6ヶ月未満)の退職では、基本的に有給休暇は発生していません。ただし、会社独自の規定で前倒し付与されている場合は、消化してから退職することも検討できます。

社会保険・雇用保険の手続き

退職後は健康保険や年金の切り替え手続きが必要です。次の転職先が決まっていない場合は、国民健康保険への切り替えまたは任意継続被保険者制度の利用を検討しましょう。また、雇用保険の加入期間が短いと失業手当の受給資格を満たさない可能性がある点にも注意が必要です。

損害賠償を請求されることはある?

「退職するなら損害賠償を請求する」と言われるケースがありますが、正当な手続きを踏んで退職する限り、損害賠償を支払う義務は基本的にありません。2週間の予告期間を守り、適切な引き継ぎを行えば、会社から損害賠償を請求されることはまずありません。万が一脅された場合は、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。

試用期間中の退職を円満に進めるコツ

短期間であっても、円満に退職することは十分可能です。そのためのポイントをまとめます。

まず、感謝の気持ちを忘れないことです。短期間であっても、採用・研修に時間とコストをかけてくれた会社への感謝を伝えましょう。この姿勢があるだけで、印象は大きく変わります。

次に、引き継ぎを丁寧に行うことです。たとえ短期間でも、担当業務の状況を整理して引き継ぎ資料を作ることで、プロ意識の高さを示せます。

また、最終出社日まで真摹に働くことも重要です。「どうせ辞めるから」と手を抜くのではなく、最後まで責任を持って勤務することで、良い印象を残せます。同じ業界で再び関わる可能性もあるため、人間関係を大切にしましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 試用期間中に退職するのは非常識?

非常識ではありません。試用期間は企業と労働者がお互いの適性を確認する期間であり、合わないと判断した場合に退職するのは自然なことです。むしろ、合わない環境で無理に働き続けることのほうが、自分にも会社にも良くない結果を生むことがあります。大切なのは、正しい手順で丁寧に退職を進めることです。

Q. 試用期間中でも引き継ぎは必要?

法的な義務はありませんが、社会人としてのマナーとして可能な範囲で行うことをおすすめします。短期間であれば引き継ぎ内容も少ないため、簡潔にまとめるだけでも十分です。引き継ぎを丁寧に行うことで、円満退職につながります。

Q. 試用期間中の退職で失業保険はもらえる?

失業手当(基本手当)を受給するには、原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。試用期間中の短期退職では、この要件を満たさないことが多いため、失業手当は受給できない可能性が高いです。ただし、前職での雇用保険期間と通算できる場合もあるため、ハローワークで確認することをおすすめします。

Q. 退職代行サービスは使ってもいい?

退職代行サービスの利用自体は合法です。「上司に直接伝えるのがどうしても無理」「パワハラや強引な引き止めに遍っている」といった場合には、有効な選択肢となります。ただし、費用がかかることや、サービスの質にばらつきがあるため、利用する際は口コミや実績をしっかり確認しましょう。弁護士が運営に関わっているサービスを選ぶのが安心です。

まとめ:試用期間中の退職は怖くない

試用期間中の退職は決して珍しいことではなく、法的にも完全に認められた権利です。大切なのは、正しい手順を踏み、丁寧に退職を進めることです。

ポイントを改めて整理すると、試用期間中でも退職は法的に可能であり、原則として2週間前の申し入れが必要です。上司には感謝とお詫びを添えて明確に意思を伝え、引き継ぎや返却物の対応も丁寧に行いましょう。履歴書には正直に記載し、面接では前向きな説明を心がけることで、転職活動への影響を最小限に抑えられます。

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