公開: 2026/03/09 ・ 著者: 与謝秀作

試用期間中にクビになる理由と対処法|解雇の前兆サインも紹介

試用期間中にクビになる理由・前兆サイン・対処法を徹底解説。能力不足や勤怠不良など解雇の主な原因から、不当解雇の見分け方、解雇を言い渡された際の具体的な対応策、次のキャリアに向けた準備まで。試用期間の不安を解消する完全ガイドです。

試用期間中にクビになる理由と対処法|解雇の前兆サインも紹介
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試用期間中にクビになるのではないかと不安を感じていませんか?試用期間は企業と労働者がお互いの適性を確認するための期間ですが、実際に解雇されるケースも存在します。この記事では、試用期間中にクビになる主な理由から、解雇の前兆サイン、実際にクビを言い渡された場合の対処法、そして次のキャリアへの備えまで、体系的に解説します。

試用期間とは?まず基本を正しく理解しよう

試用期間にクビになる不安を感じている方は、まず試用期間の法的な位置づけを正しく理解することが重要です。「試用期間=簡単にクビにできる期間」という認識は、実は正確ではありません。

試用期間の法的な位置づけ

試用期間は法律で定められた制度ではなく、企業が独自に設ける期間です。一般的には入社後1〜6ヶ月程度で設定されることが多く、3ヶ月が最も一般的です。法的には「解約権留保付労働契約」と解釈されており、通常の雇用契約と比べて企業側に解約(解雇)の権利が留保されている状態です。

ただし、留保された解約権の行使にも制限があります。最高裁判例(三菱樹脂事件)では、試用期間中の解雇は通常の解雇よりも広い範囲で認められるものの、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合に限られるとされています。つまり、試用期間だからといって自由にクビにできるわけではないのです。

試用期間と本採用の違い

試用期間中も雇用契約は成立しており、労働基準法や社会保険の適用を受けます。給与や待遇が本採用後と異なる場合がありますが、労働者としての権利は基本的に保障されています。試用期間が満了して本採用に移行するのが通常の流れですが、企業が本採用を拒否する(=試用期間中にクビにする)場合は、解雇と同様の法的制約を受けます。

試用期間中にクビになる主な理由6つ

試用期間中の解雇には、企業側に合理的な理由が必要です。実際にクビになるケースとして多い理由を確認しておきましょう。

1. 勤怠不良(遅刻・欠勤・無断欠勤)

試用期間中にクビになる理由として最も多いのが勤怠不良です。頻繁な遅刻や無断欠勤は、基本的な社会人としての適性に欠けると判断される大きな要因となります。特に無断欠勤は、試用期間に限らず解雇の正当な理由として認められやすい行為です。体調不良であっても必ず事前に連絡を入れ、勤怠を安定させることが試用期間を乗り切る基本中の基本です。

2. 能力・スキルの著しい不足

採用時に期待されたスキルや能力と実際のパフォーマンスに大きな乖離がある場合、試用期間中にクビになる可能性があります。ただし、単に「期待通りではなかった」だけでは解雇の正当な理由としては認められにくく、企業側が適切な教育や指導を行ったにもかかわらず改善が見られなかった場合に限られます。特に中途採用で即戦力として入社した場合は、新卒よりもスキルに対する評価が厳しくなる傾向があります。

3. 協調性の欠如・職場トラブル

チームワークを著しく乱す行為や、同僚・上司との深刻なトラブルが繰り返される場合も、試用期間中のクビにつながる要因です。パワハラ・セクハラなどのハラスメント行為はもちろん、指示に従わない、報連相を怠るといった基本的なコミュニケーションの問題も含まれます。組織に適応する姿勢を見せることが、試用期間を無事に終えるための重要なポイントです。

4. 経歴詐称の発覚

履歴書や職務経歴書に虚偽の記載があり、それが試用期間中に発覚した場合は、解雇の正当な理由として認められやすいケースです。学歴や職歴の詐称はもちろん、保有資格の偽りや前職の退職理由の虚偽なども該当します。経歴詐称は信頼関係の根本を損なう行為であり、発覚した場合は試用期間かどうかに関係なく、懲戒解雇の対象となることもあります。

5. 健康上の問題

入社後の健康診断で業務に支障をきたす健康上の問題が判明した場合、試用期間中にクビになる可能性があります。ただし、持病があるだけで解雇することは不当解雇にあたるケースが多く、あくまで「業務遂行が困難」と客観的に認められる場合に限られます。また、業務内容の変更や配置転換などの代替手段を検討せずに解雇することも、正当な理由としては認められにくいとされています。

6. 業務命令違反・社内規則違反

正当な業務命令に繰り返し従わない場合や、就業規則に重大な違反があった場合も、試用期間中のクビの理由となります。情報漏洩、SNSでの企業秘密の投稿、社内規定に反する行動など、入社直後でも重大な規則違反は厳しく処分される可能性があります。

試用期間中にクビになる前兆サイン5つ

試用期間中の解雇は突然言い渡されることもありますが、多くの場合は事前にいくつかのサインが現れます。以下の兆候に心当たりがあれば、早めに対策を講じましょう。

1. 上司との面談が急に増える

定期的な1on1以外に、上司や人事担当者との面談が急に増えた場合は要注意です。特に、業務改善を求める内容やパフォーマンスに関するフィードバックが頻繁に行われるようになった場合は、企業側が解雇に向けた「指導の記録」を残そうとしている可能性があります。このサインが見えたら、指摘された点を真摯に受け止め、具体的な改善策を提示して実行に移すことが重要です。

2. 重要な仕事やプロジェクトから外される

それまで担当していたプロジェクトから突然外されたり、新しい仕事が振られなくなったりする場合は、解雇の前兆である可能性があります。企業側が本採用を見送る方向で動いている場合、引き継ぎの負担を減らすために業務を徐々に減らすことがあります。

3. 書面での注意・警告が出される

口頭での注意から書面での警告に変わった場合は、解雇に向けた手続きが進んでいる可能性が高いサインです。書面での警告は、後の解雇が法的に争われた際に「十分な指導を行った証拠」として企業側が利用するものです。書面を受け取った場合は内容を確認し、指摘事項に対する改善計画を書面で回答することをおすすめします。

4. 同僚や上司の態度が急変する

それまでフレンドリーだった同僚や上司が急によそよそしくなったり、ランチや雑談に誘われなくなったりする場合があります。解雇の決定が一部の社員に共有されている可能性があり、接し方が変わることがあります。ただし、これは単なる思い過ごしの場合もあるため、過度に気にしすぎないことも大切です。

5. 試用期間の延長を告げられる

試用期間の延長は、企業がまだ判断に迷っていることを意味します。延長自体は直ちにクビを意味するわけではありませんが、「このままでは本採用が難しい」というメッセージが含まれている場合がほとんどです。延長期間中に何を改善すべきかを明確にし、具体的な目標を設定して取り組みましょう。

試用期間中にクビを言い渡された場合の対処法

実際に試用期間中にクビを言い渡された場合、冷静に対応することが重要です。パニックにならず、以下の手順で対処しましょう。

まずは解雇理由を書面で確認する

解雇を告げられたら、まず解雇理由証明書の交付を求めましょう。労働基準法第22条では、労働者が請求した場合、企業は遅滞なく解雇理由を書面で交付する義務があります。口頭での説明だけでは後から「言った・言わない」の問題になるため、必ず書面で受け取ることが大切です。解雇理由が具体的に記載されているかを確認し、事実と異なる点があれば記録しておきましょう。

不当解雇かどうかを見極める

試用期間中であっても、不当解雇に該当するケースは少なくありません。具体的な指導や改善の機会が与えられなかった場合、解雇理由が曖昧で客観的な根拠がない場合、入社14日を超えて即日解雇された場合(解雇予告または解雇予告手当が必要)、妊娠・出産・育児休業の取得を理由とした解雇の場合、労働組合への加入を理由とした解雇の場合などは、不当解雇である可能性が高いと言えます。これらに該当すると感じたら、労働基準監督署への相談や弁護士への相談を検討しましょう。

解雇予告と解雇予告手当について知っておく

試用期間中であっても、入社から14日を超えている場合は解雇予告のルールが適用されます。企業は少なくとも30日前に解雇を予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。逆に、入社から14日以内であれば、解雇予告なしでの解雇が認められています。自分がどの段階にいるかを把握し、適切な対応を取りましょう。

退職勧奨と解雇の違いを理解する

「辞めてほしい」と言われた場合、それが解雇なのか退職勧奨なのかを明確にすることが重要です。退職勧奨はあくまで「お願い」であり、応じる義務はありません。退職勧奨に応じる場合は「会社都合退職」として処理してもらうことで、失業保険の受給条件が有利になります。自己都合退職として処理されないよう、退職の経緯を書面で残しておくことが大切です。

相談先を知っておく

試用期間中にクビを言い渡された場合の相談先としては、労働基準監督署(無料で相談可能、法令違反の是正指導を行う)、総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局に設置、解雇に関するあらゆる相談に対応)、法テラス(経済的に余裕がない場合でも無料で弁護士に相談可能)、労働組合・ユニオン(個人でも加入できる合同労組が団体交渉を代行)などがあります。一人で抱え込まず、専門機関に早めに相談することが問題解決への近道です。

試用期間中にクビにならないための予防策

試用期間を無事に乗り切るためには、日頃からの心がけが重要です。ここでは、試用期間中に意識すべきポイントを紹介します。

基本的な勤務態度を徹底する

遅刻・欠勤をしない、報連相を徹底する、指示された業務を期限内に完了するなど、社会人としての基本を確実に実践しましょう。試用期間中は能力以上に「姿勢」が評価される傾向があります。スキルが多少不足していても、真摯に学ぶ姿勢と安定した勤務態度があれば、試用期間を乗り切れるケースがほとんどです。

フィードバックを積極的に求める

自分の業務パフォーマンスについて、上司に定期的にフィードバックを求めましょう。「何か改善すべき点はありますか」と自ら聞く姿勢は、成長意欲の表れとして好印象を与えます。また、問題があれば早期に気づくことができるため、手遅れになる前に軌道修正が可能です。

職場の人間関係を大切にする

試用期間中は特に、職場の人間関係を丁寧に築くことが重要です。挨拶を欠かさない、困っている人がいれば手を貸す、チームの和を乱さないなど、基本的なことを意識しましょう。技術的なスキルは後から伸ばせますが、人間関係のトラブルは取り返しがつきにくいものです。

試用期間中にクビになった後のキャリア戦略

万が一、試用期間中にクビになってしまった場合でも、キャリアが終わるわけではありません。次のステップに向けた準備を始めましょう。

試用期間中の退職は履歴書に書く必要があるか

結論から言うと、試用期間中の短期離職であっても、原則として履歴書に記載するのが望ましいです。記載しなかった場合、社会保険の加入履歴などから発覚する可能性があり、経歴詐称と見なされるリスクがあります。ただし、面接では退職理由をポジティブに説明する工夫が必要です。「ミスマッチを早期に判断し、自分に合った環境で力を発揮したい」という前向きな姿勢を示しましょう。

失業保険は受給できるか

試用期間中にクビになった場合の失業保険受給は、雇用保険の加入期間によって異なります。会社都合の解雇であれば、被保険者期間が6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。ただし、試用期間が短い場合は加入期間が足りないケースもあるため、ハローワークで個別に確認しましょう。前職での雇用保険加入期間を通算できる場合もあります。

次の転職でミスマッチを防ぐために

試用期間中にクビになった経験を、次の転職に活かすことが重要です。なぜミスマッチが起きたのかを振り返り、業務内容の確認不足だったのか、企業文化との相性の問題だったのか、自分のスキルの過信だったのかを冷静に分析しましょう。

次の転職活動では、入社前に企業との相性を確認できる方法を積極的に活用することをおすすめします。カジュアル面談で社風や実際の業務内容を事前に確認したり、お試し転職を利用して実際の職場環境を体験してから判断することで、試用期間中のクビという事態を未然に防ぐことができます。

「お試し転職」で入社前にミスマッチを防ぐ

試用期間中にクビになる最大の原因は、企業と労働者のミスマッチです。お試し転職なら、正式に入社する前に実際の職場環境、業務内容、チームの雰囲気を体験できるため、「入ってみたら思っていたのと違った」という事態を大幅に減らせます。特に、過去に試用期間中のトラブルを経験した方にとって、お試し転職は次のキャリアを安全にスタートするための強力な手段です。

面接だけではわからない企業の実態を事前に体験できるお試し転職を活用して、自分に本当に合った職場を見つけてみてはいかがでしょうか。

まとめ:試用期間中のクビは正しい知識と行動で乗り越えられる

試用期間中にクビになる不安は多くの方が抱えるものですが、正しい知識を持つことで冷静に対処できます。試用期間中であっても企業は自由に解雇できるわけではなく、合理的な理由と適切な手続きが必要です。

もし解雇の前兆サインに気づいたら、早めに改善行動を取りましょう。万が一クビを言い渡された場合は、解雇理由の確認と不当解雇の可能性の検討を冷静に行い、必要に応じて専門機関に相談してください。

そして次のキャリアに向けては、同じ失敗を繰り返さないために、カジュアル面談やお試し転職を活用して入社前のミスマッチを防ぐことが大切です。試用期間中のクビは人生の終わりではなく、より自分に合った職場を見つけるための通過点です。焦らず、着実に次のステップを踏み出していきましょう。

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