同一労働同一賃金とは?正社員との待遇差を、項目ごとに確認する方法
公開: 2026/11/05 ・ 著者: 与謝秀作
同一労働同一賃金の対象と均衡・均等待遇を整理。基本給・手当・賞与・福利厚生ごとの確認点、2026年10月の改正、会社へ待遇差の説明を求める文例と相談先を紹介します。

公開: 2026/11/05 ・ 著者: 与謝秀作
同一労働同一賃金の対象と均衡・均等待遇を整理。基本給・手当・賞与・福利厚生ごとの確認点、2026年10月の改正、会社へ待遇差の説明を求める文例と相談先を紹介します。

同一労働同一賃金は、「同じ職種なら全員の月給が必ず同額になる」という単純なルールではありません。日本では、正社員とパートタイム・有期雇用労働者などの間の不合理な待遇差をなくすための仕組みとして、基本給、手当、賞与、福利厚生などを確認します。
この記事は、主に同じ会社の正社員と自分の待遇を比較したいパート・契約社員等に向けたガイドです。総額だけで決めず、どの待遇が、何の目的で、どのように違うのかを整理しましょう。
パートタイム・有期雇用労働法では、同じ事業主に雇用される通常の労働者と、短時間労働者・有期雇用労働者の待遇差を検討します。「アルバイト」「嘱託」などの呼び名だけでは対象は決まりません。契約期間と所定労働時間などの実際の条件を見ます。
派遣労働者には、労働者派遣法に基づく別の仕組みがあります。派遣先の社員の給与だけを比べて、そのまま同じ手続きを当てはめないようにしてください。
自分の働き方 | 最初に確認すること |
|---|---|
パート・短時間勤務 | 通常の労働者より週の所定時間が短いか |
フルタイムの契約社員 | 有期契約か。フルタイムでも有期なら対象になり得る |
無期雇用のフルタイム | この法律の短時間・有期の対象かを区別する |
派遣社員 | 派遣元が採用している待遇決定方式と説明先 |
総合職と限定正社員など、短時間・有期ではない正社員同士の差は、この法律の保護対象として同じように扱うものではありません。ただし、何のルールもない意味ではありません。2026年10月適用のガイドラインでも、無期雇用フルタイムの労働契約の均衡への配慮などに触れています。契約や別の法令の問題を含め、分けて相談します。
均衡待遇では、職務内容、職務内容・配置の変更の範囲、その他の事情のうち、その待遇の性質や目的に関係する事情を考慮し、不合理な差がないかを確認します。職務内容には、作業だけでなく責任の程度も含まれます。
均等待遇では、職務内容と、職務内容・配置の変更の範囲が通常の労働者と同じ場合、短時間・有期であることを理由とする差別的取扱いが禁止されます。作業が一部同じ、というだけでどのケースも同額になるわけではありません。
雇用形態の呼び名と条件の関係は、パートとアルバイトの違いでも整理しています。
気になる項目 | 整理すること | 質問例 |
|---|---|---|
基本給 | 能力、経験、責任、成果など、決定の基準 | 私の基本給にはどの基準が適用されていますか |
手当 | 通勤、職務、勤務の負担など、その手当の目的 | 支給条件と、雇用形態による違いの理由を教えてください |
賞与・退職手当 | 支給目的と、職務等の違いとの関係 | 対象外となる理由は、どの目的・条件に基づきますか |
福利厚生・休暇 | 利用できるかだけでなく、料金や付与条件 | 利用条件や付与条件が違う理由を確認したいです |
例えば、同じ仕事をしていて通勤費の扱いが違うと感じたら、給与総額の比較とは別に、その手当の支給基準を確認します。同僚本人の給与明細を無理に入手する必要はありません。会社の規程や説明から分かる違いを整理しましょう。
2026年10月1日から、雇い入れ時の明示事項に、正社員との待遇の相違の内容・理由等について説明を求められる旨が追加されました。同一労働同一賃金ガイドライン等も改正されています。
例えば、福利厚生施設の料金・割引率などの利用条件における不合理な差や、賞与・退職手当の目的を踏まえた均衡なども確認事項です。「正社員を確保したいから」「定年後の再雇用だから」という説明だけで、どんな差でも当然に合理的になるわけではありません。
個別の手当や休暇には、それぞれの条件があります。違いを一つ見つけた段階で結論を出さず、改正後の厚生労働省資料と会社の規程を照合してください。
文例:「私は有期契約で○○業務を担当しています。○○手当について、通常の労働者との待遇差の内容・理由と、決定の際に考慮した事項を説明していただきたいです。比較対象とする方の職務や、適用する規程も確認できますでしょうか」。
パート・有期雇用労働者は事業主へ説明を求めることができ、事業主は説明する必要があります。説明を求めたことを理由とする不利益な取扱いは禁止されています。説明と資料が一致しない場合や話しにくい場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談できます。
求人票の基本給だけでなく、賞与、手当、研修、休暇、相談窓口を確認します。「契約社員にも制度があります」という説明には、支給・利用条件と、配属先での運用を追加で聞きましょう。
正式な評価結果への疑問は人事評価に納得できないときの確認点、休暇の制度選びは休暇と休日の違いに分けて整理できます。お試し転職や職場体験も使い、自分に適用される条件を具体的に確かめてください。
出典:厚生労働省:パートタイム・有期雇用労働法 / 厚生労働省:待遇差の説明を求める権利 / 厚生労働省:2026年10月の改正リーフレット / 厚生労働省:同一労働同一賃金特集

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